節目となるこの時期、気持ちを新たにWebエンジニアを目指そうとしている方も多いのではないでしょうか。
そんな学習中の方を含むWebエンジニアにとって、モニタ(ディスプレイ)は非常に重要です。購入時はまず解像度とインチから検討する方が多いと思いますが、選び方に迷っている方も多いと思います。
本ページでは、私が使ってきた解像度のうち、現在でも学習や仕事で使えるレベルのものに絞った上で、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
モニタ購入の参考にしていただければ幸いです。
ちなみに私は主にVSCodeで各種プログラミング、たまにPhotoshop/Illustrator/XDなどのデザインツールを使って仕事をしています。
はじめに
私のモニタ購入歴
私はフリーランスのWeb系エンジニア・制作者として20年の経験があります。
その中でモニタを20台以上買ってきました(ユニークな台数は10台ちょいくらい)。
代表的なものはこんな感じ。
- EIZO FlexScan L695(18インチ位 1280×1024)
- EIZO FlexScan L887(20インチ位 1600×1200)
- EIZO FlexScan L997(21インチ位 1600×1200)
- EIZO FlexScan EV2336(23インチ位 1920×1080)
- EIZO FlexScan EV2736(27インチ位 2560×1440)
EIZO(旧ナナオ)ブランドは高いけれど質が良く、よく使っていました。型番をすぐ思い出せるほど使っていたのはこれらだけです。これらだけで合計10台超えてます。
結論
そんな私がお勧めするのは、WQHD(2560×1440)が一押しです。文字が大きく、適度な解像度を持っているからです。
次点は好みもあるかもしれませんが、今日の流通量や価格を考慮すると、4Kとなるでしょうか。
これらについての具体的なメリット・デメリット等の詳細はこれから説明していきます。それでは解像度が小さい順に見ていきましょう!
UXGA(1600×1200)
UXGAは、いわゆるスクエアタイプのモニタですね。以前はこういったタイプが主流でした。
今でもデュアルモニタ(マルチモニタ)以上であれば、学習や仕事で使えなくもないかな、というのが個人の感覚です。
逆に言えば、これ以下の解像度はちょっと厳しいかなと感じています。
メリット
大きなメリットとして、ドットピッチが大きいことが挙げられます。そのためギラ付きが少ない良いモニタであれば、非常に目に優しいです。
21インチ程度の大きさであればドットピッチが0.266mm。かなり大きい方です。
20.1インチのものでも0.255mmあるので小ささを感じません。
目が悪い方にとってはありなのかもしれませんね。
デメリット
現在においては解像度の小ささが、仕事用途では使いづらく感じます。
特に以下のような場合で厳しいです。
- VSCodeを横2分割して開発
- Chrome等の開発者ツールを横に置く
- 各種デザインツール使用時
私は一時期、UXGA(21インチ)を3枚並べて使っていたころもありました。が、それでもやはり画面の最大化時に小さい……。
それと、最近はワイドタイプが主流なので、新品は割高です。UXGAは中古市場で安価に入手する目的ならありかもしれません。
UXGA目当てなら、中古のL997が幸せになれるかもしれません。長年愛用していましたが本当に良いモニタです。
FHD(1920×1080)
UXGAを横に広げた分、縦に狭くしたようなサイズです。
この縦横比は現在の主流。FHD=フル HDと言われれば、誰もがご存じですよね。
メリット
FHDは横に広いです。そのため先ほどUXGAのデメリットとして挙げた以下に関しては、なんとかなるレベルではあると思います。
- VSCodeを横2分割して開発
- Chrome等の開発者ツールを横に置く
そのため、サイズが近いUXGAと比べても、意外とこちらの方が開発・学習に使い勝手は良い印象です。
文字の大きさも、23インチ時では0.265mmと大きいのも良いですね。
デメリット
しかしながら、やはりトータルの解像度が小さいです。特にPhotoshopやIllustratorなどの各種デザインツールでは狭さを感じます。
私は使ったことはないですが、安さ等の理由でFHDを希望するなら、もうワンランク上のWUXGA(1920×1200)も検討してもよいかもしれません。
ちなみにFHDは横に長いので、3枚並べてのマルチモニタ使用は難しいです。首痛くなりますよ。
4K(3840×2160)
4Kモニタは人気なので、検討している方は多いと思います。
たしかに良い面もあります。しかし開発用途であれば、総合的にはWQHDの方が使いやすいなと感じました。
メリット
メリットは言うまでも無く、解像度の大きさです。
これ程あれば、何をやるにしても解像度で不便を感じることはまずありません。
PhotoshopやIllustrator, XDでのデザインツールもとても使いやすいです。
仕事には関係ありませんが、4K動画を100%で見られるメリットは最高!
デメリット
ドットピッチ(文字)の小ささ、これにつきます。逆に言えば高精細ですが視力が良くないと目が疲れます。
よくある27インチではドットピッチ0.155mm。21インチのUXGAの0.266mmと比較し、約6割弱ほどの小ささです。
スケーリングを調整するなどすれば使えますが、例えばWindowsの場合、全てのソフトで使える訳ではありません。非対応ソフトではジャギーが出ます。
また、Web系エンジニア・制作者としては、100%で動作確認しないと思わぬ失敗を招く可能性もありそうです。
WQHD(2560×1440)
最後に、私お勧めのWQHDをご紹介します。私は、ここ10年ほどはこのWQHDのデュアルモニタ2枚で仕事をしていました。
現在は片方を4Kにしていますが、WQHD2枚の頃の方が使いやすかったので4KをWQHDに落として使っています(ちょっとぼけるが許容範囲)。
メリット
WQHDは、デメリットが無いのがメリットと言えるかもしれません。
- 解像度が大きすぎず小さすぎず
- 文字も小さくない(27インチで0.233mm)
- モニタを2台並べても許容範囲
このように、Web系エンジニアにとってちょうど良いと感じています。
逆に言えば、これより大きくなるとデュアルモニタでは厳しくなりそうです。
デメリット
特に私はデメリットに感じることはありません。何も不便を感じられないで無意識に使えるというのはありがたいことです。
何事もそうですが、ちょうど良いものは不便自体を感じないように思います。
まとめ
まとめてみましょう。
解像度 | ピクセル数 | インチ例 | ドットピッチ | コメント |
---|---|---|---|---|
UXGA | 1600×1200 | 21 | 0.266mm | 文字大きい。最近あまり売ってないかも |
UXGA | 1600×1200 | 20.1 | 0.255mm | 同上。オークションやフリマ等中古市場に多い。 |
FHD | 1920×1080 | 23 | 0.265mm | 文字大きい。横長は割と使いやすい。 |
WUXGA | 1920×1200 | 24 | 0.269mm | FHDよりは縦に長いので使いやすそう |
4K | 3840×2160 | 27 | 0.155mm | 文字激小。文字サイズアップはほぼ必須!? |
4K | 3840×2160 | 31.5 | 0.181mm | まだ小さいけど視力によっては使えそう |
WQHD | 2560×1440 | 27 | 0.233mm | ほどよい大きさと文字サイズの両立 |
最後に1点、注意点があります。それは、解像度やインチだけで使いやすいモニタを決められるというわけではないことです。
例えば同じWQHDでも、メーカーや機種が違えば設定できる範囲も変わりますし、OSD(設定メニュー)の使い勝手、レスポンスも変わるからです。
特にパネルや輝度調整機能、ギラ付きに関しては、解像度と同じくらい重要に思います。
それらについてはかなり奥深い話になってしまうため、また追々書いていきましょう。
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